タブレット端末をノートパソコンの代わりとして使っている人がいます。タブレット端末とはスマートフォンとノートパソコンの中間的な位置に存在しています。しかしタブレット端末は、機能面や処理性能がノートパソコンよりも低いため、ノートパソコンの代わりとして使うのは不向きです。
例えばドキュメント作成時、ノートPCならPC版のOfficeソフトなどでマウスとキーボードを使って細かく編集作業も行えます。しかしタブレット端末ではOfficeのモバイルアプリ版を使って編集作業を行うので簡単な編集ならともかく細かい編集機能に関してはアプリでは行えないことが多いです。
そのため細かい編集をしたければ、ノートパソコンでの編集をせざるを得なくなるのです。
○タブレット端末はモバイルに属す
タブレット端末はあくまでも大きい画面のスマートフォンのようなものです。
OSもパソコンのようにWindows10 やMac OSやLinuxが搭載されているわけではなく、AndroidやiOSが一般的です。
そのため基本的にはOS上でソフトウェアやサービスが走るのではなく、アプリを使うことによってそれらのサービスの機能や処理が軽量化・簡易化されたものを扱っています。
そこにはスマートフォンの画面タッチ操作で、簡単にアプリの機能が使えるようにするためや、直感的に扱いやすくするためのアプリの画面設計であるUI(ユーザーインターフェース)に機能が依存するためです。
特にAndroidではスマートフォンのために設計されたOSなのでそのOSと同じOSを使うAndroid OS搭載のタブレット端末では、スマートフォンと同じような使い方で操作していくという使い方が中心的になります。
この点でタブレット端末は、パソコンで使える機能がタブレット端末側では簡易化・処理の軽量化によって使えないということが分かります。
○キーボードやマウスと接続してもかえって使いにくくなる
まずタブレット端末には物理的なキーボードがありません。
仮にカバーケースについているキーボードや外付けのキーボードを別途購入してタブレット端末に接続したとしても、PCのようにスムーズな入力操作ができるでしょうか。
入力自体は可能ですが日本語変換したり記号入力の時にはPCほどスムーズな入力ができない場合が多いです。
それに、ショートカットキー操作もモバイルOSでは妙な挙動(ホーム画面に戻る、ブラウザが立ち上がり検索窓が開く、SiriやGoogleアシスタントが起動)が起こるので、かえってPC側で慣れた操作がしにくくなります。
また、タブレット端末はスマートフォン同様に画面のタッチ操作がメインであるため、Bluetoothなどのマウスを接続して使用したとしてもカーソルは確かに表示されますが、スワイプ系の画面遷移動作がマウスを使った場合はドラッグしながらの操作になるので、スマートフォンのような素早い画面遷移が行われません。
この点でもタブレット端末はPCのように動かせないことが分かります。
○タブレット端末のインターフェースの乏しさと接続時の携帯性の低下
ノートパソコンの代わりとして使うにはキーボードとマウスをタブレット端末へBluetooth接続などをして使うことになりますが、この状態で場所を移動するとなると持ち物が増えることになります。
タブレット端末には携帯性という面では、ノーパソコンよりも重量が軽いので持ち歩きには最適なデバイスです。しかしそこにマウスやキーボードを一緒にして持ち歩くことになると、移動するときには持ち歩く周辺機器が増えてしまいます。これではかえって移動することが億劫になってしまいます。
またタブレット端末は他のデバイスとの接続口が充電口しかないため、ノートパソコンのようにUSBメモリやHDDを接続するにはUSBハブで接続口を増やす必要があります。これによりさらに持ち歩く周辺機器が増えることになってしまいます。
○工夫すればノートPCの代用化はできる
タブレット端末でも外出先でノートPCのように作業する方法はあります。AWS WorkSpaceを使って仮想のデスクトップ環境下で作業をすればいいのです。
この方法ではタブレット上でAWS WorkSpaceアプリを実行することによりAmazonのAWSサーバで稼働する仮想のWindows OSなどで操作するということになります。
AndroidやiOSとしてタブレット端末を使用するのではなく、Windows OSやMac OS(仮想の)としてPC版WordなどのOfficeソフトを使用することができるので、パソコンのように編集作業ができます。
しかし注意として、AWSへはオンライン接続して仮想デスクトップは稼働する仕組みなので、常にタブレット端末のWifiや有線LAN接続してインターネットへつながる環境で作業することになります。
そのためタブレット端末でノートPCの代用化は定められた環境下のみで実現可能です。
作業端末がノートパソコンかタブレット端末であるかを選択するときは、自分の使用目的に合わせて選択し、目的に合った端末の使用をしてみてください。