51回目 カード型Suica(スイカ)の残高はNFCスマホに近づければすぐにわかる
日常に潜む地味なライフハック術。
学生の皆さんや都心に住んでいて電車を使う機会が多い人は、「必ず」と言ってもいいほど使う機会の多い『カード型Suica(スイカ)』ですが、
あれって残高がよくわかりませんよね。
Apple Pay やGoogle Pay内のアプリ版のSuicaであれば残高をスマホの画面やスマートウォッチなどで確認できたりするかもしれませんが、高校生や中学生などでもカード型のSuica自体は定期券として作れたりするので、そういった立場の人間からすると残金の表示がされないSuicaは不親切なものであるともいえます。
僕も高校生のころからカード型Suicaを使い始めていたのですが、カード型では現在チャージされている金額の残高が確認できなくて、
「もし定期が切れて更新していないときは、Suica内に入ってる残高で電車乗るしかないな」
みたいなことを考えていたりもしました。
つまり、カードの残高がすぐにわからなかったので、もしものことを考えて財布の中の金額などを計算するビクついた日々を送ってたんですよね。
そんな高校生の時の僕のカード型Suicaの残高確認の仕方は↓以下の通りです。
特に3番の方法が僕の中では画期的なアイデアだと思いました。
別に自販機でジュースを買わずとも、Suicaのタッチ部分にカード型Suicaを押し当てれば残高が表示されるだけであったので、この方法が当時の僕としては最強でした。
しかしもっと簡単な方法があります。
〇めちゃくちゃ簡単に残高確認できる
SuicaにNFC対応スマホを押し当てるだけで、ICカードの読み取りが行われカード内残高を確認することができます。
僕の場合は、↑のGIF画像の通りなんですが、『Xperia 1』のスマホなので正しくはFeLiCa(フェリカ)の機能により「おサイフケータイアプリ」が起動しています。
そしてFeLiCaのNFCリーダー機能からICカード内の情報が読み込まれて、見事に残高を確認することに成功しています。
例えば財布やパスポートケースなどにSuicaを入れて持ち歩いている人は、そのSuicaのカードにスマホを押し当てるようにしてNFC情報をスマホ側に読み込ませればいいだけで済みます。
高校生の頃の自分にもこの方法を教えてあげたかったなぁ。
残高が474円。。。。
〇NFCとはなんじゃらほい?
Near Field Communication の略になります。日本語で『近距離無線通信規格』のなかのひとつで、機器同士を近づけるだけで通信できる技術のことを指します。
デバイスどうしが近距離に近づくことで通信を行われ情報のやり取りが行われるという仕組みです。
主に使われる場面で言えば
といったところでしょうか。
特に『パスワード不要での周辺機器とのペアリング』は、Bluetooth対応機器と接続するときのパスワード入力画面を連想するかと思います。
しかし、ここでは「パスワード不要」と言っているだけあって、スマホとNFC機器を近づけるだけで瞬時に通信が行われるということになります。
そのためこの場面に置いてのパスワードの入力は省かれるわけです。
現にスマホ決済をするときにはパスワードの入力なんて表示されませんからね。
●FeLiCaとは別物
同じような種類のものと混同されるかと思いますが、「FeLiCa」とは日本国内において使用されているNFCの規格のなかの1つを指しています。
FeLiCaはソニーが開発した技術であり、通信される情報のセキュリティ面や処理速度の面でとても優れた技術になっています。そのため日本国内におけるNFCサービスのほとんどはFeLiCaを使ったものとなっています。
(例:nanaco、iD、楽天EdyはすべてFeLiCaで行われている)
そしてFelica以外にもNFC規格にはType A、Type Bとあり、こちらは主に海外で使用されアメリカやヨーロッパなどで使われているものになります。
わかりやすく言うと、
|
∟「FeLiCa」 ー 「Type A」 ー 「Type B」
日本 オランダ アメリカ
という感じで種類と使用されている地域が分かれているといった感じですね。
ちなみに以下の商品を使ってもICカード残高を確認することができますよ。
〇NFCはスマホ以外だとPCでも使える
NFCに対応したICカードリーダーをUSB接続しPCでもSuicaなどのICカードを読み取ることができます。
こういった機器を使うことにより、先ほどのスマホでNFCを読み取ったのと同様にSuicaの残高の確認をすることができそうですね。
情報科の高校生ならこれくらいは持っていても良かったのですが、お小遣いが少ない高校生の僕はこんなものを買う余裕すらなかったのでした。
そういえば一時期、『M1チップ搭載MacBook』はNFCの読み取りができないなんて話があったけど、あれは改善されたんですかね。
まぁ僕には全く関係のない話なので別にどうでもいいですけども。
〇実はすごいSuicaのシステム
何気なしに電車に乗車するため改札口を通るときに「ピピっ」と通すSuicaですが、どうやって運賃が計算されているのかについて考えたことはありませんか?
たとえばものすごい離れた距離の駅同士間だとだいたい片道でも2500円くらいしますよね。それも県を2~3超えた距離だとするとその距離間の運行価格はどうやって計算されているのでしょうか。
「最初に乗った駅の位置情報などがカード側に保持されて、降りる駅での改札口での処理で、カードの保持データから降車駅の値段の差分でも引くように計算されているのかな?」なんて僕は思っていたのですが、少し調べてみるともっとすごいことをSuicaはしていました。
乗車時に予め定期区間内の乗継駅(仮精算駅)および乗車駅-乗継駅間の運賃を ICカード内に記録する技術を考案した.これは,個々の改札機に自駅から各駅への運賃データを記憶させることで可能となった技術である。
http://www.sice.jp/ia-j/papers/jitk6-20050722-1305.pdf
↑ちょっと何を言っているかわかりにくいかと思いますが、
例えばA駅で乗った場合に改札口入場時にSuicaにはA駅から次に最も近い場所の駅(仮にS駅とする)までのA~S駅間の運賃データが保持されます。
そして実は降りるのがS駅ではなく「B駅で降りる」となった場合、B駅の改札口を通った瞬間に先ほどのA駅と同じように今度はB駅から最も近い次の駅(仮にD駅とする)のB~D駅間の運賃データが計算されます。
ここでさらに「A~B駅間の運賃」が同時に割り出され、「A~S駅間の運賃 + B~D駅間の運賃」と比較されます。
ここの比較においてどちらの運賃が最も安価であるかが自動的に比較算出されて結果、B駅の改札口で最も安価と判断された運賃がSuica残高から引かれるということになります。
僕の思った通り最初に乗った時に乗った駅のデータはカード内に保存されるらしいですが、ここまで複雑な処理をあの一瞬で行っているというのはいやはや驚いた。
詳しくはこの説明されてる方の記事と、参照されてる先ほどのPDFの部分を熟読すると何となくわかると思います。僕の今の説明も9割ほど先ほどのPDFの記述内容と同じことを言っているだけです。
http://www.sice.jp/ia-j/papers/jitk6-20050722-1305.pdf
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ということで、今回はカード型Suicaにまつわるちょっとした小技?便利技?と少し専門的なお話でした。
PC関連の話じゃなかったけどたまにこういうのもいいでしょ。
それでは今回はこんな感じで終わります。
また次回で。
ばいなら。